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入試の国語を知ろう(助動詞編Part I)

090701支援室だより

入試の国語を知ろう(助動詞編Part I)

今週最初の「入試の国語を知ろう」は「助動詞編(Part I)」です。

【助動詞】
文法上の分類からご説明します。先日ご紹介した「助詞」と同じ「付属語」ですが、助詞との違いは、助詞が活用しない(語尾の変化がない)のに対して、「活用する(語尾の変化がある)」ものを助動詞と呼びます。体言(名詞)や用言(動詞・形容詞・形容動詞)に接続して、さまざまな意味を添える働きをします。

実によく出題される「助動詞」ですが、なぜ問われるかというと、
1)1つの語が複数の意味をもっていること
2)助動詞以外の品詞と同形であって区別がつきにくい
という特徴があるからです。1)の例でいうと「そうだ」は、実際に目で見ている様子を表す(様態)意味と、人から聞き伝えで知りえた(伝聞)意味を表すことができます。

例1)「そうだ」
・今夜は雪になりそうだ(実際に空模様を目で見ている)⇒様態
・今夜は雪になるそうだ(雪が降るということを人から聞いている)⇒伝聞

また、2)の例では、「ない」「だ」「らしい」などの識別があります。

例2)「ない」
・君のギャグは少しも笑えない⇒助動詞(「ない」を「ぬ(ず)」に置き換え可能)
※ 直前の「笑う」という動詞に接続して、打ち消しの意味を表します。「ぬ(ず)」は、古典における「打ち消し」の語です。

・君のギャグにはセンスがない⇒形容詞(「ある」の反対の意味=「ある」に置き換えてもおかしくない)

・君のギャグはおもしろくない⇒形式(補助)形容詞(「おもしろい」という形容詞の意味を否定する働きをする=「おもしろく(は)ない」と言えるものはすべてこの仲間)

・君のギャグはみっともない⇒形容詞の一部(「みっともない」でひとつの語。稀にひっかけで出される)

この「ない」の識別は、助詞の「の」、助動詞の「れる(られる)」とともに、ひじょうに出題頻度が高く、毎年のようにどこかの中学で出題されています。中学受験では絶対に落とせない知識問題ということになります。なぜなら、すべての受験生が必ず直前まで対策をしてくるところだからです。わたしの授業でも、助動詞の「ない」は「ぬ」! と繰り返し言わせて記憶に刷り込ませます。 ところが注意しなければならないのは、「勉強しない」などのサ変動詞(する)の打ち消しの場合です。 「しない」を「ぬ」にすると、「しぬ」となってしまい、不自然な日本語になってしまいます。この場合は、「し」を「せ」に置き換えて、「せぬ(ず)」とすればおかしな表現にならないことがわかります。つまり、「勉強しない」は「勉強せぬ」となり、これも助動詞だということがわかるわけですね。同じような他の品詞との識別でよく出題される「だ」をご紹介しましょう。

例3)
・君の話はとても愉快だ⇒形容動詞の語尾(「だ」を「な」に置き換え可能=愉快な人)
「愉快だ」はそれだけで意味がわかる(自立語)ので、そこに気付けば助動詞ではないことがわかりますが、通常見分けるときは、「だ」を「な」に置き換えてみるとすぐに理解できます。また、直前に「とても」を加えても自然に意味がとおるものは、「形容詞」「形容動詞」などです。

・君の話に欠けているのはユーモアだ⇒「ユーモア」(名詞)+「だ」(断定の助動詞)
直前の「ユーモア」をはっきりさせる働き(断定)があります。「だ」を「な」に置き換えることができません。

・君の話を母は楽しんだ⇒「「楽しむ」(動詞)+「だ」(過去や完了の助動詞)
直前の「楽しむ」という動詞が過去に行われたことを(過去)を意味します。これも助動詞で、「な」に置き換えることができませんが、「ユーモアだ」(断定)と「楽しんだ」(過去)は意味のうえからも違いがわかりますよね。直前の語が「名詞」か「動詞」かでも判断することが可能です。

ほかにもまだまだ頻出の語がありますが、明日、実際の入試問題とあわせてご紹介していきます。

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