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2011年春 「語彙・読解力検定」

091212支援室だより

2011年春 「語彙・読解力検定」

11日付の朝日新聞による発表で、すでにご存知の方もいらっしゃると思います。朝日新聞の記事や辞書に収められている語彙をもとに、語彙力や文章に関する知識、読解力を問う、新たな検定試験を、朝日新聞とベネッセコーポレーションが合同で創設することが公表されました。

http://www.asahi.com/shimbun/release/20091210.pdf

創設の背景にあるのは、現代の日本語能力の低下に対する危機感。記事の中では、「五月雨」(さみだれ)「踏襲」(ふしゅう)を正しく読むことができない大学生が例として挙げられています。確か、この国のある総裁経験者も一時こういう読み間違いがよく報道されていたことがありました。学力試験を経ずに、AO入試・推薦入試で大学に進む割合が増えることが理由の一端なのでしょうが、大学入試制度もさながら、大学入学試験問題そのものにもまったく問題がないとはいえないような気もします。
また、子どもたちの読解力の問題として、15歳を対象に行われている「PISA(Programme for International Student Assessment)」=「生徒の学習到達度調査」が取り上げられています。この調査結果での国際比較をみると、年々順位を下げる日本の現状が浮き彫りになります。

こうした現状に対して、文科省は2011年度より実施される新指導要領(09年より前倒し期間)で、全教科での「言語活動の充実」を打ち出しました。国語においては、小5、6年生で「編集の仕方や記事の書き方に注意して読む」中2で「新聞やインターネット、学校図書館などを活用して得た情報を比較する」中3で「論説や報道などに盛り込まれた情報を比較して読む」という課題が新たに加わり、単に受験で学力を判定するための知識や読解、表現力ではなく、社会で生きていくのに必要な力、人生を豊かにするための日本語運用能力の開発に目を向けた学習内容が盛り込まれることになったのです。

今回発表された「語彙・読解力検定」はこの「教育現場の動きを先取りした内容」(記事ママ)とのことで、高校生、大学生を中心に、小学生から社会人まで幅広い層を受検対象としています。

出題分野は、1)政治・経済・社会・国際2)科学・技術3)生活・医療4)文化・その他となっており、既存の日本語検定とは、趣が異なる内容になりそうです。11日の特集記事で、高校生向けの文章題の問題イメージも掲載されていました。

一部ご紹介いたします。
【文章題】
09年10月12日の「天声人語」を読んで ※ 著作権の問題があるので文章は控えます。

問1 下線部A「墨蹟を追えば」の文脈上の意味として最も適当なものを次の1)~5)の中から一つ選び、番号で答えなさい。
1)書かれた意図を思うと 2)書かれた筆跡を見ると 3)書かれた内容の真意を考えると
4)書いた人の消息を尋ねると 5)書いた人の思いを察すると

問2 下線部B「背筋が伸びる」とはどういうことですか。その説明として最も適当なものを、次の1)~5)の中から一つ選び、番号で答えなさい。

1)我が身の至らなさを反省し恐縮する 2)相手の語気に押されて体がこわばる
3)理解できるかどうか不安で緊張する 4)非礼がないように息づかいを整える
5)真剣に対応しようとして姿勢を正す

【語彙力問題(新聞語彙)】
「」に当てはまる内容として最もふさわしいものを、ア~オの中からそれぞれ一つずつ選びなさい。

「1997年1月から導入された、すべての公的年金制度で共通して使用する1人に1つの番号」
ア 年金コード イ 年金手帳の記号番号 ウ 基礎年金番号 エ 住民票コード番号
オ 社会保障番号

私自身は、長年国語の受験指導を現場でしていた経験から、結局のところ、国語の得点力の高い子どもたちは、読書経験が豊富で、かつ、小説・物語以外の書物、たとえば、百科事典や科学系の雑誌・図鑑、「日本の歴史」(マンガ)などを楽しみながら、日々愛読し、幅広い分野への興味・関心が高く、基礎知識を有する子であると感じています。
海外子女、帰国子女で、日本語の保持・伸張に悩む多くの方。すべての礎(いしずえ)となる日本語の運用能力を高めるための手段・方法、ヒントは、「国語」という教科の学習と必ずしも等しくないという理解も必要ではないでしょうか。

※問題の正解は、順に 2) 5) ウ

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