2009年7 月 のアーカイブ
2009年7 月30日 木曜日
090730支援室だより
本日は、海外子女教育振興財団の主催する「帰国生のための学校説明会・相談会」東京会場での開催日でした。今年も、この休みの期間を利用して、すでにご帰国後の方や一時帰国の方の多くが会場をお訪ねになったことでしょう。この1週間ほどは、戻り梅雨なのか全国的に天候に恵まれない日がありましたが、今日は天候にも恵まれ、夏の日差しがつらいほどでしたが、会場も熱気に包まれたことでしょう。
海外にお住まいの方にとっては、とても貴重なこの長期休暇。一時的にご帰国なさっているみなさまはどのようにお過ごしでしょう。ふだん、現地校や国際学校に通っている方々は、日本で集中的に学習のできるもっとも長い時間ではないかと思います。日本での生活を満喫してほしいと思う一方で、この時期は、学習塾でも夏期講習の真っ最中ですし、なるべく時間を有効に使って、ふだんはできない日本での学習内容もしっかり身につけて、将来の入試や、本帰国後の学習に備えてほしいと思います。もちろん、日本語をたくさん吸収できるチャンスでもあります。日本での滞在期間がそれほど長くないという方でも、本をたくさん買って帰ってこの時期にまとめて読むとか、日本の文化を知るためにどこかに旅行をするなど、なにも机に向って勉強するだけにとどまらず、学べることはたくさんありますよね。有意義な夏休みにしてほしいと思います。
今日の「入試の国語を知ろう」は、「助数詞編」です。
「助数詞」とは、ものを数えるときの単位のことです。一個、一冊、一匹、一本などの数を表すことばにつく接尾語ですね。日本語では、この助数詞の数がひじょうに多く、日常的にあまり意識しなくても正しい用法で使われているものもあれば、現在ではあまり使われなくなってしまったものもあり、私立中学の入試問題では、まれに出題されることがあります。また、実は小学校受験でも、頻度は高くありませんが、出題されることがあります。たとえば、「うさぎ」のイラストを示し、「これと同じ数え方をするものはどれですか。○をつけなさい」という読み上げ問題が出され、「くつ・かえる・イルカ・とうふ」などのイラストの中から正解を選ばせる、というような問題です。
さて、わたしが指導していた小学生たちですが、専用ノートを受付に買いにくるときに、なんと言って買いに来るか想像できますか。
「すみません、ノート一つください」という生徒が、実にた~くさんいることに心底驚いてしまいます、というか、あきれてしまいます。けっして知らないわけはなく、訂正を求めると、ちゃんと、「一冊」と言い直します。しかし、ふだんの生活の中で、わりといい加減な扱いを受けている、ということがわかりますよね。受験に出る、出ないにかかわらず、日本語の常識として、助数詞の使い方も正しく身につけておきたいものですよね。では、次にあげる名詞はどう数えるのが正しいのでしょうか?
※ のついたものは複数の数え方があります。
1)紙
2)半紙
3)いす
4)部屋 ※
5)たんす ※
6)テーブル
7)鏡
8)冷蔵庫
9)料理
10)大型動物
11)小型動物
12)イカ・タコ
13)ウサギ ※
14)飛行機
15)電話機
16)花 ※
17)グラウンド
18)詩
19)短歌
20)落語
すべて数えられましたか? まだまだたくさんありますね。
答えは、また今週末のメールマガジンで掲載したいと思います。
2009年7 月29日 水曜日
090729支援室だより
本日の支援室だよりは、「入試の国語を知ろう」をお休みして、久々の帰国生入試情報をお届けいたします。
東京都町田市にある「桜美林中学校」から昨日いただいた案内によりますと、2010年度の入試において、おそらく全国で初ではないかと思いますが、「帰国生のための午後入試」(2月1日)を実施することになったとのこと(国算+面接、詳細は以下)。これまでも2月1日には、「国語・英語」の2科目による特別入試を実施していて、帰国生にも受験の機会が与えられていたわけですが、「午後」の入試ができたということは、「午前」試験を受けて、そのまま待機した状態で、午後にも受験できるというメリットのほかに、たとえば、一般枠、帰国枠に関わらず、午前中、他校を受験して、押さえとして午後に受験することもできるということですね。近年の中学入学試験では、この「午後入試」はどんどん増える傾向にあります。
実は、桜美林中学でも、09年度に初の午後入試を導入しました。その結果、午前の受験者が375名だったのに対し、午後受験者は、714名(実受験者数)というおよそ2倍ほどの受験者を集める結果になったのです。今回の帰国生午後入試に関しては、このことも影響があったでしょうが、学校に問い合わせたところ、「帰国生のための午後入試は、これまでにどこもやっていなかったというのも理由ですが、帰国生入試への問い合わせが増えているからなんです」とのことでした。ニッチを狙ったものとも考えられますが、増え続ける帰国生からの問い合わせへの柔軟な対応として評価できるのではないでしょうか。
これまでの受験指導において、1日の午後受験をわたしは勧めていました。発表の時間帯は、夜11時頃に及ぶ学校もありますが、なにせ、当日には合否が明らかになり、子どもたちにとって、なるべく早く合格した学校がある、というのは、それ以降の受験への心的負担軽減に大きな働きをするからです。1月受験の場合は、2月までの間隔によって、モチベーションの維持が難しかったり、緊張状態をピークにもっていくのに支障が出たりすることもありますが、1日午後は、受験期真っ只中なので、その弊害も少ないというメリットもあります。しかしながら、午後入試には弊害がないとは言い切れません。子どもたちの体力や集中力への負担は確かに大きく、午後受験を組み込んだがために、2日に調子を出し切れなかったというお子さまもいます。特に2校にまたがって受験する場合などは、移動の負担なども十分に考慮したうえでの学校選び、受験の判断をしないと逆効果にならないとも限りません。
上記の点にも十分な配慮のうえで、午後入試を上手に活かすと成功する受験パターンをつくれるのではないかと思います。
では、桜美林中学の「帰国生のための午後入試」概要です。いただいた案内を画像として添付しますので、以下をご覧ください。試験科目が「国語・算数」ですが、これは、一般生との共通問題でしょう。募集人数の「男女若干名」に関しては、一般生とは別に人数枠を設けているとのことです。実際の合格者数の目安は、受験者数によって異なりますので、現時点では言及できません。
□日程 2月1日(月) 14:45~(15:30も可)
□合格発表 22~23時 ホームページにて
□募集人数 男女若干名
□応募資格
保護者の海外在留に伴う海外在住期間が1年以上で、帰国後3年未満の者(2010年2月1日現在)
入学後、保護者の下から通学可能

なお、「海外子女.com」の学校検索では「桜美林中学校」の学校基本情報は現在表示されておりません。8月下旬頃掲載を予定しています。ご了承ください。
2009年7 月27日 月曜日
「入試の国語を知ろう(外来語編」
みなさん、こんにちは。本日は、外来語編をお届けいたします。
日本語は、その来歴から三種類に分類されます。もともと日本固有の言葉を「和語(やまとことば)」、古代より中国から漢字の輸入とともに、日本語として定着した言葉を「漢語」、それ以外の国から輸入され、日本語化したものを「外来語」と呼びます。そのほかにも、朝鮮半島の影響を受けている言葉なども存在しますが、大きく分けて上記の三種類です。
日本語は、中国からの影響が大きく、したがって、漢語がかなりの割合を占めています。特にその数が増えたのは、文明開化以降だと言われています。実は、欧米(英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語など)諸国との外交に伴って、それらの国々の言葉を翻訳する必要が出てきました。それをいちいち漢語化した結果、おびただしい数の漢語が誕生したわけです。「科学」「社会」「哲学」「文明」「思想」などの言葉がそれにあたります。
こうしてたくさんの「漢語」が誕生したわけですが、中国以外の国から輸入された言葉は「外来語」として「漢語」とは明確に区分したのです。日本語に直せるものは、漢語化して取り入れる一方、本来の言葉そのものを日本語として日常的に使用するということも行われました。そして、これらの語については、「カタカナ」で表記するという区別方法をとったのです。もっとも古い時代の外来語は、大航海時代に日本に輸入された「タバコ」「パン」「カルタ」「ボタン」「テンプラ」などの言葉です。
確かにこれらの外来語は、時代を超えて今でもわたしたちの日常生活で頻繁に目に触れる言葉ですが、現代語において重要な役割をもつ外来語の多くは第二次世界大戦後に生まれたものです。さらに近年では、その増加が著しく、H14年には国立国語研究所に「外来語委員会」が設立され、意味のわかりづらい外来語は「わかりやすい表現」に言い換えるという提案がなされたほどです。
たとえば、「アイドリングストップ」。これは、「駐・停車しているときに車のエンジンを止めること」ですね。提案では、「停車時エンジン停止」。どう思われますか? 個人によって言葉の印象は異なるでしょうが、わたしには「アイドリングストップ」のほうが、言いやすいですし、今となっては直感的になにを指している言葉なのかがわかって、特段問題があるようには思えないのですが。
さて、この「外来語」についても、当然、「日本語」の一種なのですから、日本語としての認識と正しい意味の理解ができなければなりません。国語研究所が「言い換え」を提案していても、提案であって、強制力があるわけではないので、日常生活や、入試で出題される文章(特に論説文)で使われている言葉は正しく理解しなければなりませんし、実は、入試問題で、独立問題として出題する学校もあるのです。独立問題を意識するというよりも、やはり、日本語の一部として、正しく意味を理解できることが重要なことで、つまり、長文読解問題文中で、外来語は頻繁に出てきますので、その点を意識しておいてほしいのです。以下、よく見かける外来語をあげてみます。
1)アイデンティティー:自己認識・自己同一性
2)イデオロギー:政治的、社会的思想
3)インフォメーション:情報・案内
4)エコロジー(エコ):生態学・生物と環境の関係を研究する生物学
5)クレーム:苦情
6)グローバル(グローバリゼーション):世界的規模(地球規模化)
7)コミュニケーション:意思の疎通
8)ステレオタイプ(ステロタイプ):型どおり・紋きり型
9)ネガティブ:消極的な・否定的な
10)プライド:自尊心・誇り・矜持
11)プロセス:課程
12)ポジティブ:積極的な・肯定的な・前向きな
13)ボランティア:無料奉仕する人
14)マニュアル:手引き
15)ユニーク:独特の・他にない特色のある
16)ライバル:競争相手
17)レクリエーション:娯楽・休養
18)リサイクル:再利用
などなど。もちろん、このほかにもたくさんありますが、海外帰国生に注意してもらいたいのは、外来語には、
・日本語としては、もともと複数の意味をもつ語でも、1つだけの意味しか表していない語がある
14)マニュアル15)ユニークなど
※ マニュアル(manual)は、「手の、手を使う」という意味ではあまり使われません。
※ ユニーク(unique)は、「ただ一つしかない」という意味ではあまり使われません。
・もともとの意味とは異なる意味で使われている語がある
5)クレーム16)ライバル17)レクリエーションなど
※ クレーム(claim)は、「要求」という意味ではなく、「苦情(compliant)」の意味で使われます。
※ ライバル(rival)は、「敵対」していない友だちなどにも使われます。
※ レクリエーション(recreation)は、「元気回復」という意味より「休暇・余暇」などの意味で使われます。
・もともと英語にはない、和製外来語(和製英語)がある
キャッチボール(play catch)・サラリーマン(salaried man, office worker)・シルバーシート(courtesy seats, priority seats)・フロント(front desk, reception)・リサイクルショップ(second-hand store)・ワンパターン(routine)・ペーパーテスト(test) などなどです。先に紹介した「アイドリングストップ」も日本でできたものですね。海外に長く住んでいる方が、日本に帰国したのちにこうした言葉を耳にし、目にするときどんな感覚をもつのでしょう?
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2009年7 月24日 金曜日
090724支援室だより
今日も厚かましく、「漢字番外編」をお届けします。
次の漢字一覧をご覧ください。
1) 順風満帆
2) 踏襲
3) 思惑
4) 未曾有
5) 有無
6) 前場
7) 低迷
8) 破綻
9) 物見遊山
10) 詳細
まだまだありますが、これらの漢字を列挙した意味、みなさんおわかりですね。21日(火)に解散、来月31日に選挙を決めた、わが国(くに)の首相が「読み間違え」をした漢字の数々です。どれも大人として、社会人として間違えては恥しい漢字ばかりですが、「有無」「低迷」「詳細」なんて、政治家でなくったってふだん使うだろう! とはなはだ呆れてしまう教養の低さですよね。これが現時点でのわが国(くに)の首相の知性レベルです。「国(くに)」としたのは、首相、あろうことか、「わがこく」と読んでいたからなのです。
やめましょう。今日のトピックは、首相をけなすことではなく、この「読み間違え」というのは、案外わたしたちにも起こりうるということなんです。今度は、以下の熟語をご覧ください。
1)十人十色
2)十中八九
3)五十歩百歩
1)を間違える人はまずいないと思います。「じゅうにんといろ」です。2)を「じゅっちゅうはっく」3)を「ごじゅっぽひゃっぽ」と読んでいる人はいませんか?
正しくは、「じっちゅうはっく」「ごじっぽひゃっぽ」ですね。「十」には、「とお・と」という訓読みと「ジュウ・ジッ」という音読みがありますが、「ジュッ」という読みは、音訓ともにありません。したがって、「じゅうにん」は言えても「じゅっこ」とは言えず、「じっこ」とするのが正しい発音だということなのです。それから、ふだん聞くことが多いのが、「重複」です。「じゅうふく」ではありませんね。現在は、誤用から転じて、認められつつある読み方ですが、正しくは「ちょうふく」です。授業のときは、子どもたちに「『貴重品』を『きじゅうひん』と読まないのと同じだよ」と教えます。「相殺」を「そうさつ」、「代替」を「だいがえ」、「上意下達」を「じょういげだつ」などなど、思い込んでしまうとなかなか間違いに気付けない読み方の漢字(特に熟語)は多いのです。
中には、誤用から転じて慣用的に意味が通じるので(さきほどの「じゅうふく」)、慣用読みとして認められているものがあります。たとえば、「消耗」。もともとは、「しょうこう」ですが、「消しゴムは『しょうこうひん』です」と言って、意味の分かる人のほうが少ないのではないでしょうか。「貼付」もそうです。正しくは「ちょうふ」と読みました。今は、「てんぷ」のほうが、意味が通りやすいですよね。
中学入試で問題になることはありませんけれども、こうした「読み方」の間違いは、けっしてほめられたことではないでの、このようなことも、立派な国語の学習だということで、日ごろ気にかけていただけるとよいのではないかと思います。まあ、誰しもが首相になるわけではありませんが、「知らなかった」は、少ないほうがよいですよね。
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2009年7 月23日 木曜日
090723支援室だより
「入試の国語を知ろう(漢字番外編)」
昨日の「支援室だより」で、「漢字編の最終回」と書いてしまいましたが、ちょっと詳しくご紹介したい漢字の知識があるので、無理やり(笑)、「番外編」と称して続編をお届けします。う~ん、「番外編」って意外と使えますね。これから先もひょっとしたら使うこともあるかもしれませんので、「番外編Part I」としておきます。
その番外編Part Iとは、熟語編でほんのちょっと触れました「熟字訓(じゅくじくん)」です。
熟字訓とは、漢字一字一字の読み方ではなく、ことば全体に対して読みを与えられた特別な読み方(訓読み)のことをいいます。熟語(漢字のみ)の場合もあれば、漢字かな混じりのことばもあります。
たとえば、案外知られていませんが、「お父さん」「お母さん」も、実は熟字訓です。「真っ赤」「真っ青」も熟字訓なのです。確かに、「父」は「フ」(音)「ちち」(訓)、「母」は「ボ」(音)「はは」(訓)が読み方であって、それぞれ「とう」「かあ」とは読みません。また、「真っ白」の場合は、もともと「しろ」と読みますから特別ではありませんが、「赤」は「セキ・あか」であって、「か」とは読みません。したがって、特別な読み方ということになります。真っ青も同様です。
※ 説によっては、熟語(漢字のみ)に特別な訓読みを当てたもののみを熟字訓とするものもありますが、単なる「当て字」的なものを含んで熟字訓として国語辞典には載っています(つまり、国語と認められている)ので、ここでは後者に従います。
以上のように、ふだん当たり前のように読み書きしている熟字訓もあれば、学習しておかなければ読み方の理解できない語もたくさんあります。まずは基本的に日常よく使うことばから見ていきましょう。
※ あくまでも小学生基準です。
【初級編】
・明日・明後日・昨日・一昨日・今日・今朝・今年
・大人・一人・二人・一日(ついたち)・二日(ふつか)・二十歳・二十日
・上手(じょうず)・下手(へた)・時計・笑顔・小豆・七夕・友達・梅雨(つゆ)・部屋
・お父さん・お母さん・お兄さん・お姉さん・博士・息子
【中級編】
・意気地・田舎・乳母・母屋・仮名・果物・景色・心地
・差し支える・五月晴れ・五月雨・芝生・清水(しみず)・砂利・相撲・立ち退く
・手伝う・名残・雪崩・野良・素人・日和・眼鏡・吹雪・土産・八百屋・大和・浴衣
【上級編】
・一言居士・息吹・海原・叔父(伯父)・叔母(伯母)・御神酒・神楽・河岸・蚊帳・為替
・玄人・早乙女・雑魚・桟敷・早苗・時雨・竹刀・数珠・数寄屋(数奇屋)・草履・山車・太刀・足袋
・築山・伝馬船・十重二十重・読経・祝詞・猛者・木綿・行方・寄席・若人
さて、いかがでしょうか。今、近くにお子さまがいらっしゃったら、ご家族でいくつ読めるか試してみてください。このほかにもまだありますが、過去の入学試験(帰国生ではない)での出題傾向を見たときに出題されたものを中心にご紹介しました。難易度は、わたしの主観で勝手に振り分けました。
「竹刀」をほとんどの生徒が「ちくとう」「たけがたな」と答えたのは、すでにご紹介いたしましたが、「意気地」「田舎」「景色」「心地」「名残」「眼鏡」「時雨」「行方」「差し支える」「立ち退く」などは入試頻出といえるものですから、しっかり読めて、意味も理解できるようにしておくとよいですよ。
番外編の番外編ですが、これまでに「独楽」を正しく読めた生徒(小学生)は、1人しかいません。
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2009年7 月22日 水曜日
090722支援室だより
「入試の国語を知ろう(漢字編Part VI)」、漢字編の最終回です。これまでにいろいろと中学入試で、出題される漢字の基礎知識についてご説明してまいりましたが、本日はいよいよ実際の帰国生入試で出題された漢字の問題をご紹介したいと思います。
これまでに、「音読み・訓読み」「送りがな・かなづかい」「同音異義語・同訓異字」「部首」など、どのような問われ方があるのかを述べてきましたが、部首の出題を除いては、どれも入試をにらんだ漢字学習では、しっかりと押さえておかなければならない出題パターンです。また、部首に関しても、昨日掲載したとおり、漢字の意味を知る理解する課程で、また、漢和辞典を利用するうえで意味のある知識です。さらに、15日(水)のPart IIIで、出題形式は「長文読解の中からの出題」「独立問題としての出題」「知識問題としての出題」の3つのパターンであることをご紹介しました。形式が異なるだけで、要は、漢字が正しく書けて、読めること、意味を正しく理解して覚えていることを問われることに違いはないわけで、
1)漢字学習には、日常的にこつこつと取り組む
2)読書を通して、正しい使いかた、意味を理解しておく
3)意味や読み方がわからない漢字は辞書を使って調べる
4)自分で表現するときに、漢字を正しく書くことができる
ということが身についていれば、入試に向けた特別な学習をしておく必要はないのです。ふだんからの学習が基本だということですね。
しかしながら、入試では確実に得点するために、過去にどのような漢字が出題され、よく出る漢字にはどういったものがあるのか、ということを知っておくことはとても重要なことです。特に頻度の高い漢字がありますので、問題集などで直前のチェックはぬかりなく行ってください。Part IIIでご紹介したように、学校によっては、およそ三割の配点で漢字を出題する学校もありますし、帰国生入試といえども、小学校配当漢字以外の、つまり、中学課程にならなければ、学校では学習しない漢字を出す学校も少なくありません。
以上のことをふまえたうえで、以下にご紹介する過年度における出題を参考にしていただきたいと思います(すべて帰国生入試からの出題です)。
問題5までは、漢字を学習する学年(配当学年)と、出題頻度の高い漢字については、「頻出」と併記いたしました。配当学年をご覧いただくとおわかりになると思いますが、6年生の漢字に限らず、意外にも、低学年で習う漢字も多く出題されています。漢字を「意味のあることば」として正しく理解しているかを問われているのが理解できます。
【長文読解の中からの出題】
問題1
線1)~7)までのカタカナを漢字に直しなさい。
1)毎日一緒にツれ立って軍需工場へ飛行機の部品をつくりに通いました(4年生配当)
2)ムネが高鳴り(6年生配当・頻出)
3)体中が幸福色にソまっていく(6年生配当・頻出)
4)フンベツ臭い(2・4年生配当・頻出)
5)ようやく警報がハツレイされた(3年生配当)
6)百万発以上の焼夷弾をトウカしていった(3・1年生配当)
7)体はコキザみに震えていました(1・6年生配当)
問題2
線ア)~オ)のカタカナを漢字の書き直しなさい。
ア)「空気」のケイセイと日本語についての議論を展開してみよう(2・4年生配当)
イ)問題を考えるためのユウコウな鍵となりそうである(3・5年生配当)
ウ)「人の勧誘をコトワる会話」の練習をしていた(5年生配当・頻出)
エ)「無責任で卑怯」などというヒハンはしなくなった(6・5年生配当・頻出)
オ)今日からは一日の宿題がフえます(5年生配当・頻出)
【独立問題としての出題】
問題3
次の1)~5)の文の線部のカタカナをそれぞれ漢字に直しなさい。
1)見知らぬ集団からキガイを加えられた。(6・4年生配当)
2)台風の影響でキョクチ的な大雨が降った。(4・2年生配当)
3)動物の進化のカテイを探ってみよう。(4・5年生配当・頻出)
4)不適切な言い方にチュウモンをつけた。(3・1年生配当・頻出)
5)試合が雨で中断してキセイをそがれた。(1・5年生配当)
問題4
次の傍線部のカタカナを漢字に直しなさい(30問中から一部)。
1)無理をショウチで願う。(5・2年生配当・頻出)
2)彼女の意見をシジする。(5・3年生配当・頻出)
3)窓をカイホウする。(3・3年生配当・頻出)
4)シンネンをつらぬく。(4・4年生配当・頻出)
5)早起きがシュウカンになる。(3・5年生配当・頻出)
6)対策についてケントウする。(5・6年生配当・頻出)
7)図書館で本をカりる。(4年生配当・頻出)
8)セーターをアむ。(5年生配当・頻出)
次の傍線部の漢字の読み方をひらがなで答えなさい。
1)絵画を展示する。(2・2年生配当・頻出)
2)実力を行使する。(2・3年生配当)
3)彼は気性がはげしい。(1・5年生配当・頻出)
4)商店を営む。(5年生配当・頻出)
問題5
次の線部の読みをひらがなで答えなさい。
1 よく案を練る。(6年生配当・頻出)
2 詳しい話を聞く(配当外)
3 拾得物を届ける。(3・4年生配当・頻出)
4 毛糸を編む。(5年生配当・頻出)
5 臨床実験をくり返す。(6年生配当)※「床」は配当外
次の線部のカタカナを漢字に直しなさい。
1 練習して運動会にソナえる。(5年生配当・頻出)
2 感動してナミダを流す。(配当外)
3 モケイ飛行機で遊ぶ。(6・4年生配当・頻出)
4 山々がツラなる。(4年生配当)
5 研究にジュウジする。(6・3年生配当)
【知識問題としての出題】(配当学年は省略します)
問題6
次の1)~3)の傍線部と同じ漢字を使っている熟語をア~エの下線部から一つずつ選び、その熟語を漢字で書きなさい。
1)保護者タイショウの会
ア 一ニンショウの代名詞
イ キショウ予報士の試験
ウ ニッショウ時間が長い
エ カンショウ用の花
2)時間をハカる
ア ジュウリョウがふえる
イ ゲンドを超える
ウ 社会のコウズが見える
エ ケイカクをたてる
3)機転がキく
ア リベン性が高い
イ 薬のコウカがある
ウ シンブンを読む
エ チョウリョクを調べる
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2009年7 月21日 火曜日
090721支援室だより
ちょっと間隔が空いてしまいましたが、「入試の国語を知ろう(漢字編Part V)」です。
中学入学試験ではあまり出題頻度が高いわけではありませんが、漢字を学習するうえで正しい知識をもっていると、漢字を覚える際にも、漢字の意味を理解したり、推察したりする際にも大いに役立つのが「部首」です。また、「漢和辞典」によって知らない漢字を調べるときに、正しい部首の知識があれば、「部首索引」を使うことができますが、そうでなければ、「音訓索引」「総画索引」のどちらかで調べなければなりません。漢字の成り立ちを調べることって案外興味深いですし、とにかく、知らない漢字に出くわしても、部首から意味を類推することができるので、すこしずつ興味をもたせる(もつ)ことをお勧めします。
部首の話の前に、「漢字の成り立ち」について述べておきたいと思います。
漢字は、その成り立ちから6つのパターンに分類されています。
1)象形文字:ものの形(具体物)からできた字(目・耳・日・月など)
2)指事文字:形のないもの(抽象概念)からできた字(上・下・中・本など)
3)会意文字:象形や指示によってできた字を複数組み合わせてできた字(林・男・明など)
4)形声文字:多くの場合、二つの漢字を組み合わせている。一方が音読みを表す音符であり、他方が意味を表す意符の働きをする字(河・歌・板・坂・販など)
※ 漢字の80%以上は、この「形声文字」です。
5)転注文字:本来の漢字の意味から転じて別の意味をもつようになった字(「楽」は本来「音楽」の意味から、音楽は「楽しい」ので、「楽しい」という意味に転じた)
6)仮借(かしゃ)文字:漢字の音(おん)だけを借りてきて当てた、いわゆる「当て字」。日本では「アメリカ」を「亜米利加」、「フランス」を「仏蘭西」、「コーヒー」を「珈琲」などと、漢字の意味は転用せず、読み方だけを借りてきて当てている。中国や香港にいる人は、「可口可楽」ってよく見かけますよね?
以上は、後漢の頃の、「六書」がもとになり、許慎によって書かれた「説文解字」(最古の漢字辞典)にて解説された分類を起源とするもので、それ以降、新しく作られた漢字も、この分類にしたがっています。
さて、日本語の漢字も、当然この分類によるのですが、注目すべきは、「形声文字」の多さです。80%以上が形声文字に属しているのですが、ということは、われわれが日常よく使う漢字のほとんどが「音符」と「意符」を兼ね備えている、つまり、字を見れば、「読み方」も「意味」もわかる字なのである、ということなのです。そして、「意符」が「部首」なんですね。上記で例にあげた「河」「歌」は、「河」の部首=「さんずい」が「水」に関係があるという意味を表し、「可」の部分が「カ」という読みを、「歌」は「欠(あくび)」が部首で、「口を大きく開ける」という意味を表し、「可」が「カ」という読みを表すというふうに実によくできた文字だということがわかります。アルファベットやハングル文字ではこうはいきません。
さて、これで「意符」である「部首」を正しく理解しておくことの重要性はおわかりいただけたかと思いますが、一つ注意が必要なのは、漢字は時代と共に変化しているということです。もともとは違う形をしていて、そこが部首だったものは、現在の形から意味を類推することができません。たとえば、「点」。本来は「點」で、部首は「黒」でした(わかりやすいですね)。「火を点ける」(常用外)の使い方から「れんが」が部首になったのでしょうか。「帰る」という字も、もともとは「歸る」と書き、部首は「止」だったのですね。こうした漢字を、いちいち旧字体に戻って意味を知っておく必要はありません。ほとんどの漢字は、部首によって、何に関連する字なのかを判断することができるからです。では、知っておくと便利な代表的な部首とその意味をご紹介いたします。なお、基本的に意味のわかりやすいもの、わりとなじみのあるものというよりも、意味の取りづらいものやなじみの浅いもののみをご紹介いたしますので、ご了承ください。
【へん】
[巾]はばへん:布切れに関係がある(幅・帳・市など)
[忄]りっしんべん:心に関係がある(情・性など)
[犭(犬)]けものへん:動物に関係がある(犯・獲・狩・状など)
[阝]こざとへん:かいだん・おか・つちに関係がある(防・阪・険・陸など)
[彳]ぎょうにんべん:行き来することに関係がある(行・往・復など)
[月]にくづき:体に関係がある(肺・腹・胃など)※ 「つきへん」と同じ形なので注意
[礻]しめすへん:神様に関係がある(神・社・礼など) ※ 「ころもへん」と似ているので注意
[衤]ころもへん:衣服に関係がある(補・複・製など) ※ 「しめすへん」と似ているので注意
【つくり】
[刂]りっとう:刀(かたな)に関係がある(剣・利・割など)
[彡]さんづくり:彩り・模様・飾りなどに関係がある(形・彩・彫など)
[阝]おおざと:人の住むところ・地名に関係がある(都・郡・部など)
[隹]ふるとり:鳥に関係がある(雑・集など)
[頁]おおがい:首から上に関係がある(頭・顔・頂など)
【かんむり】
[孝の子以外 ]おいかんむり:老人に関係する(孝・老・考など)
[穴]あなかんむり:あなに関係がある(空・窓・究など)
【たれ】
[厂]がんだれ:がけに関係がある(原・厚など)
[广]まだれ:家に関係がある(店・府など)
【にょう】
[え]しんにょう:道を行く、歩くに関係がある(道・進・遠・近など)
[廴]えんにょう:道を歩くことに関係がある(延・建など)
【かまえ】
[行]ぎょうがまえ:道をいく・おこなうなどに関係がある(術・街・衛など)
【あし】
[心]したごころ:心に関係がある(思・想・慕など)
まだまだほかにもたくさんの部首があります。漢和辞典を上手に活用して、たくさんの部首を知っておくと後々の漢字学習にもおおいに役立ちます。漢和辞典使っていますか?
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2009年7 月16日 木曜日
090716 支援室だより
「入試の国語を知ろう(漢字編Part IV)」です。
先日お伝えしたとおり、本日は、漢字の書き取りの中で、ひじょうに重要度が高い「同音異義語(異字)・同訓異字」についてご説明いたします。
「同音異字・異義語」
同音異字とは、読んで字のごとく、「音読みが同じなのに、字がちがう」一字のことを言います。「音読み」が同じであるという意味で、「発音」が同じということではありません。二つ以上の漢字、つまり熟語になった場合にはこれを「異義語」と呼びます。漢字の読み書きは、「長文からの出題」「独立問題」「知識問題」の3つの方法で出題されることは、昨日述べたとおりですが、どの方式においても、実によく出題されていますがこの同音異義語です。
まずは、以下の「」のひらがなが正しく書き分けられるか確かめてみてください。
例1)
・小学生を「たいしょう」にしたイベント。
・ぼくと弟は「たいしょう」的な性格だ。
・AくんとBくんのうちは駅をはさんで、「たいしょう」の位置にある。
例2)
・少女のけなげな様子にすっかり「かんしん」してしまった。
・ぼくは宇宙のなぞに「かんしん」がある
・Aさんはいつも先生の「かんしん」を買うようなことをいう。
・最近の政治の混乱は「かんしん」に耐えない。
例3)
・「ぐんしゅう」心理をたくみに利用する。
・数万人の「ぐんしゅう」に囲まれてしまう。
いかがでしょうか。このような同じ読み方なのに、違う意味の漢字が数多く存在するようになったのは、中国語が、第一声から第四声、軽声によって、意味を区別している(声調)のに対して、日本語の母音が、基本的に「a・i・u・e・o」の5つしかないことに起因しているのでしょう。本場では異なる音と認識されているものが、日本に輸入され、日本語として浸透していく課程で、その違いがなくなってしまったからだと思われます。こうした言語特性は、漢字自体が表音・表意の両方の機能を兼備していることにも要因がありそうです。
さて、こうした言語特性をもった日本語だということは、特に英語圏で学習する方々にとっては馴染みにくいことかもしれませんが、そうである以上は、意味の違いを理解した漢字学習をこころがけて、日々定着を図ることが大切なことだといえます。つづいて「同訓異字」です。
「同訓異字」
「同音」が、「音読み」が同じであることに対して、「同訓」は「訓読み」が同じという意味です。したがって、「同訓異字」とは、「同じ訓読みをするけれども、意味の違いによって字が異なる」一字をさします。「同音」とちがって、二つ以上の漢字を組み合わせたせて「訓・訓」読みをし、かつ、意味の異なるものはなく、したがって、「同訓異義語」はありません。たとえば、「鼻水(はなみず」は「鼻」も「水」も訓読みですが、ほかの訓読みをする漢字を組み合わせて「花水」としても意味の違いは明確ですから、これを問題にするわけはないということです。
根本に立ち返ってみますと、「訓読み」とはもともと日本にあったことば(和語)ですから、「サン」と聞いても、「三・産・算」など、どの語のことかわかりませんが、「やま」といえば、「山」だとすぐにわかるというように、聞いただけでその意味がわかる読み方ですね。
さて、では一字の場合、つまり、「同訓異字」だって意味の違いがわかりやすいのだから、同音異義語よりも区別がつきやすいのでは? と思いがちですが、実は、同音異義語以上に判断が難しいのです。
ウィキペディアによれば、
1)字義がほぼ同じで、同様の使い方ができる漢字
2)字義が類似しているが、違いがあり、書き分けられる漢字
3)字義がまるで異なるが、たまたま訓では同じ読みをする漢字
の3つの区別があります。1の例では「練る・錬る・煉る」などは、もともと意味の異なる漢字ですが、現在では厳密な使い分けがなされていないという字です。
入試で出題される度合いが高いのが、2と3のケースですね。
2の例では、「表す・現す」「測る・計る・量る」、3の例では「表す・著す」「測る・図る」です。
2の場合は実にやっかいで、「表す・現す」を似た意味として組みあせた「表現」や、「測る・計る・量る」を組み合わせた「計測・測量・計量」などの熟語が存在するので、どう使い分けるのかをしっかり覚えておかなければ、いざというときに混乱してしまうことでしょう。
ちなみに、「表す」は「形のないものを目に見える形にする」で、「現す」は「形はもともとあったが、目に見えていなかったものが見えるようになる」という違いで理解しておくとわかりやすいと思います。「感謝の気持ちを言葉に表す」「犯人が姿を現す」という感じですね。「著す」は書物を書くことですから、まったく意味が異なります。「はかる」は
「測る」⇒長さ・深さ・面積など
「計る」⇒数・時間
「量る」⇒重さ・容積など
「図る」⇒工夫する・考えるという意味でたまたま訓読みが同じ
という違いがあります。
「同音異義語・同訓異字」ともに、中学入試では、漢字の書き取りにてとてもよく出題されますので、漫然とした漢字の覚え方ではなく、意味の違いを十分に意識した学習姿勢が要求されます。
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2009年7 月15日 水曜日
09/07/15支援室だより
「入試の国語を知ろう(漢字編Part III)」です。
一昨日のPart I の能書きのところで書きもれてしまったのですが、中学入試における漢字の読み書きがいったいどれくらいの配点になっているかという点を、今日はまずご紹介したいと思います。
出題方法としては、「長文読解の中からの出題」と「独立問題としての出題」、さらに「知識問題」としての出題も含めると大まかに三通りの方法があります。この出題方法の違いによって、全体に占める配点も異なってきます。長文読解中の設問の場合、概ね5~10題、配点にして10点~20点です。一般試験における国語の満点は、70点の学校(神奈川:栄光学園ほか)、85点の学校(東京:開成ほか)、120点の学校(東京:駒場東邦ほか)、150点の学校(神奈川:逗子開成ほか)など、100点とは限りませんので、漢字の配点比率がどうかとは一概にはいえません。しかし、だいたいの目安は、10%前後とみてよいでしょう。では帰国生入試ではどのようになっているか、具体的な帰国生入試をご紹介します。
洗足学園(神奈川・女子):2点×5問/100点(学校配点)=10%
攻玉社(東京・男子):2点×10問/100点(推定配点)=20% ※ほかに独立知識問題あり
渋谷教育学園渋谷(東京・共学):1点×9~11問/100点(学校配点)=10%前後
学習院女子(東京・女子):1点×30問/100点(推定配点)=30%
聖光学院(神奈川・男子):2点×5~6問/100点(推定配点)=10%前後※ほかに独立知識問題あり
同志社国際(京都・共学):1点×10問/100点(推定配点)=10%前後 ※ほかに独立知識問題あり
※「学校配点」とは、学校が公表している配点であり、公表されていない場合は、設問数をもとに配点を推定した「推定配点」となります。
ご覧のとおり、上記の6校を比べてみても学校によってまちまちなのがお分かりいただけると思います。漢字以外の知識問題を含めて、長文読解力:知識がだいたい70~80%:20~30%と思っていればよいでしょう。帰国生入試の場合、中には、知識問題で4割もの配点になる学校もあります。とりもなおさず、帰国生にとっては「国語」の試験そのものが難題となりうるという点を配慮して、こつこつと漢字や知識をていねいに学習しておけば、国語力の土台となり、入学後の学習によっても、おおいにその力を伸ばすことは可能であるので、少なくとも漢字や基本知識はしっかり身につけておいてね、という学校のスタンスの表れかもしれません。
今日は最後に「学習院女子中等科」の帰国生入試問題集から国語の解説より一部をご紹介いたしますので、漢字学習の参考にしていただきたいと思います。
「書きの問題の正答率は低かった。同音異義語や点画の不足など、基本的な間違いが多く、また、点画は足りていても、形が大きく崩れているものもあった。(中略)読みの問題は、正答率が高かった。
漢字は問題集を解くだけでなく、日常生活の中で、本や新聞をよく読み、辞書を引くことをくり返して、正しく身につけてほしい。」
明日は「同音異義語(異字)・同訓異字」編をお届けします。漢字の読み書きで、もっとも重要度が高いかもしれません。
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2009年7 月14日 火曜日
090714支援室だより
「漢字編Part II」です。昨日は「読み方(音・訓)」についてご紹介いたしました。本日は、「かなづかい・送りがな」編です。
「かなづかい」に関しては、一般の広告物やお店や街頭の掲示物にも誤植が見られます。注意深く見てみると「一つづつ」「こんにちわ」など平気で書かれていることがありますし、テレビのキャプションなどでも見かけることがあります。正しくは、「一つずつ」「こんにちは」ですね。また、「送りがな」にしても同様で「必らず」って目にしたことのある方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。正しくは「必ず」。街中でこうした間違いを見るにつけ、「子どもたちに悪影響だよなぁ」と悲しくなってしまいます。もっと神経を使ってほしいところです。
【かなづかい・送りがな】
ということで、案外いい加減になってしまっているのが、「かなづかい」や「送りがな」の正しい使い方です。「かなづかい」のきまりでは、「長音(お・う)」「ジ(じ・ぢ)」「ズ(ず・づ)」などの使い分けが出題されます。たとえば、「通る」「氷」「著しい」「地震」の読みなどです。
また、もっとやっかいなのが、「送りがな」のきまりです。「活用のある語」「活用のない語」それぞれに「本則」「例外」「許容」があって、入試で出題されるものは、このうち「例外」にあたるものが多く見受けられます。
「活用のある語」=「動詞・形容詞・形容動詞」※付属語の「助動詞」は原則ひらがな書きなので除く
「活用のない語」=「名詞・副詞・連体詞・接続詞」
「活用のある語」は、原則として「活用するところ(活用語尾)から送る」となっています。
例)承る(うけたまわる)、書く(かく)、青い(あおい)、潔い(いさぎよい)、楽だ(らくだ)、大変だ(たいへんだ)など。
ただし、動詞の場合、「異なる(ことなる)」「逆らう(さからう)」「和らぐ(やわらぐ)」「味わう(あじわう)」などは、この規則どおりではありません。上記の漢字は中学入試超頻出です!
また、形容詞では、語幹が「し」で終わる、つまり「○○しい」という形になるものは、「しい」を送るというきまりです。これはさほど難しくありませんが、出題頻度の高いのは次の「形容動詞」の例外です。形容動詞は、「○○だ」で終わる、様子や状態を表す語のことですが、「だ」を送ります。しかしながら、「か・やか・らか」+「だ」で終わるものは、「か・やか・らか」から送ります。
例)静だ(しずかだ)・軽やかだ(かろやかだ)・健やかだ(すこやかだ)・朗らかだ(ほがらかだ) など。
その他、「危うい」と「危ない」、「細い」と「細かい」なども狙われやすい送りがなですね。
「活用のない語」のうち、名詞は、原則送りがなをつけません。これはわかりやすいです。「山」「川」など送りがなはつけませんね。ところが、以下のことばは「最後の音節を送る」というきまりになっていて、これも入試では出題されることがあります。
例)辺り・勢い・半ば・幸い・情け など。
また、動詞や形容詞から転じて名詞化したもの
例)調べ・願い・答え・近く・遠く など。
「副詞」では以下のものに注意しましょう。
例)必ず・少し・再び・最も など
「送りがな」のきまりにはまだまだ他にも本則・例外・許容が定められています。その1つひとつを覚える必要はありませんが、日常、文章にたくさん触れておくと、送りがなの1つひとつは、自然と正しく身についていくことでしょうから、やはり、単に知識として覚えようとせず、日頃から漫然と文章を読むのでもなく、知らない漢字や、間違えて覚えている送りがなに出合ったら必ず正しく覚えていくという意識を高めておくことが大切なことではないでしょうか。
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