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算数にみる日本語(小学4年生編)Part VII

091020支援室だより

本日は、「小数」同様、4年生の新単元ではとても重要度が高い「分数」の学習にみる日本語表現です。
教科にみる日本語表現も、この分数の紹介をもって最終回にします。

10)分数

●はしたの大きさの表し方

小数の単元でご紹介した「はした」という言葉がここでも登場します。

★ はしたの長さは、1mのテープを3等分した1こぶんの長さと同じでした。はしたの長さは、何mといえばよいでしょうか。

この文中に出てくる 「○等分した△こぶん」 という表現の理解がカギを握ります。
つづいて解説のページです。

★ 1mを3等分した1こぶんの長さを、1mの三分の一(さんぶんのいち)といいます。
★ 1mの三分の一の長さを、1/3mと書き、「三分の一メートル」と読みます。

※ 分数の表記がうまくできませんので、上記のような表し方で申し訳ありません。

★ 1mを3等分した2こぶんの長さを、1mの三分の二といいます。

授業では、こうした表現のくり返しによって、意味の理解を定着していきます。
つぎに
★ 1/3や2/5のような数を、分数(ぶんすう)といいます。3や5を分母、1や2を分子といいます。

●分数の大きさの表し方

ここでは、1/5の2こぶん、3こぶん、4こぶんというふうに分数の表す数の大きさを理解させ、1/5の5こぶんの長さ、つまり5/5は1mであることを理解させます。また、
★ 1/5の6こぶんの長さを、6/5mと表します。
というぐあいに、1mよりも大きい分数の表し方も学習します。
教科書での説明です。
★ 2/5や1/3のように、分子が分母より小さい分数・・・真分数(しんぶんすう)
★ 6/6や7/5のように、分子と分母が等しいか、分子が分母より大きい分数・・・仮分数(かぶんすう)
★ 真分数は、1より小さい分数です。仮分数は1と等しいか、1より大きい分数です。

※ 仮分数6/5を1と1/5に置き換える、いわゆる帯分数をふくむ計算は、現在の指導要領では、小学校範囲からなくなっています。2011年からの新指導要領では、小学5年生で復活します。ついでと言ってはなんですが、指導要領の改訂によって、分数の学習内容がずいぶん変わることを理解しておいたほうがよいと思います。現行のカリキュラムでは、小学校では、同分母同士の加減(5年)、同分母同士の乗除(6年)までしか、原則として学習しません。ところが、2011年からは、同分母同士の加減は4年生で学習し、現行カリキュラムでは学習しない、異分母同士の加法・減法についても、5年生での学習が復活します。ということは、現行カリキュラムでは、異分母同士の計算を学習しないので、約数や倍数は6年生カリキュラムになっていますが、新指導要領では、5年生での学習範囲になるというわけです。2009年から前倒し実施がなされているはずですので、この過渡期に学習する小学生のみなさんは、いつの時点で、どこまで到達していることが目標なのかが見えにくくなりはしないかが、いささか心配です。

算数にみる日本語(小学4年生編)Part VI

091019支援室だより

「算数にみる日本語表現」の小学校4年生(下)、まだまだ続きます。今日は、「小数」「わり算の筆算」に続いて登場する「がい数の表し方」です。

ここではまず、もっともわかりやすい表現として、「およその数」という名称が出てきます。つぎに、同じ意味のことば「約」「がい数」などの表現が説明されています。また、関連する用語として、「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」も学習します。★は教科書の記述です。

8) およその数の表し方
教科書では、青梅マラソンのさんか者数が表で出てきます。
  じっさいの数  およその数
1987年  14513  15000
1992年  14158  14000

★ 14158は、14000に近いので、およそ14000とします。
★ およそ14000のことを、約14000といいます。
★ また、およその数のことを、がい数といいます。

つづいて、小平市と日野市の人口の表です。
小平市  168502人
日野市  161562人
★ 2つの市の人口は、何万と何万の間にありますか。
★ 16万と17万のどちらに近いかを見つけるには、何の位の数字に目をつければよいでしょうか。
続いて解説の部分です。
★ 16万と17万の間の数を、一万の位までのがい数で約何万と表すとき、千の位の数字が、
0,1,2,3,4のときは、切り捨てて約160000、
5,6,7,8,9のときは、切り上げて約170000 とします。
このようながい数のもとめ方を四捨五入といいます。

さらに「四捨五入」する方法の紹介です。

★ 一万の位までのがい数で、約何万とするときは、千の位を四捨五入します。

9)面積のはかり方と表し方

これまでの図形分野の学習では、「四角形(正方形・長方形)」「三角形(正三角形・二等辺三角形・直角三角形)」「円・球」を学習しています。4年生の後半では「面積」が出てきます。

★ 広さのことを面積といいます。1辺が1cmの正方形の面積を1平方センチメートルといい、1c㎡と書きます。平方センチメートルは、面積を表す単位です。

つぎに、面積の求め方です。

★ 長方形や正方形お面積を計算でもとめるには、
1)となり合った2つの辺の長さをはかる。
2)2つの辺の長さを表す数をかける。
の説明のあと、ここでも新しい用語「公式」の登場です。

★ 長方形の面積=たて×横=横×たて、正方形の面積=1辺×1辺
このような式を、長方形や正方形の面積の公式といいます。

このあとは、1平方メートル=1㎡、1平方キロメートル=1k㎡の説明です。

算数にみる日本語(小学4年生編)Part V

091015支援室だより

昨日と同様、「算数にみる日本語表現」の小学校4年生(下)をお届けいたします。昨日うっかりして、「小数のたし算とひき算」の単元で、「たし算」までで記事をとめてしまいました。ということで、今日は「小数のひき算」のところから始めたいと思います。

教科書の表現からです。
★ 4.4ℓの水のうち、2.8ℓを使いました。水は、何ℓのこっていますか。
★ 4.4-2.8は、下のようにして筆算で計算することもできます。
1)位をそろえて書く
2)整数のひき算と同じように計算する
3)上の小数点にそろえて、答えの小数点をうつ。
ひき算の答えを差といいます。

はい、昨日のたし算で「和」が登場したのに続いて、ひき算の答えを意味する「差」が出てきました。
たし算でもひき算でも、筆算のアルゴリズムは、整数のときと同じですね。ところが、整数計算と異なり、間違いのもとになりやすいのは、「小数点の位置」です。この年齢の子どもたち、特に男の子は、数字を正確に並べて書くということが苦手です。ですので、必ずマス目のあるノートを使って、正しいポジションで数字や小数点を書くくせをつけないと、位取りや小数点のずれが生じて間違いにつながります。日本以外の国ではどんなノートを使っているのでしょうか?

次は、「わり算の筆算(わる数が2けた)」の単元です。

★ 90÷20=4あまり10
という計算を考えさせたうえで、
★ わり算の答えで、上の4のような数を商といいます。かけ算の答えは積といいます。

はい、ここで「積」「商」が登場し、「和・差・積・商」がすべて揃いました。ここは「わり算」の学習単元ですので、この後は、「商」がたびたび登場することになります。2けたの数でわる筆算の学習に進みます。

★ 色紙が87枚あります。この色紙を1人に21まいずつ分けると、何人に分けられますか。
という問題で、筆算のしかたを考えさせます。
★ 商は何の位にたちますか。
★ わる数の21を20とみて、商の見当をつけてみましょう。
この一文は、見慣れない言葉があるので、瞬間理解は難しいかもしれません。
「見当」とはだいたいの予想のことです。「見当がつく」「見当をつける」というのは「予想ができる」「予想する」という意味ですね。「わり算の答えを予想してみる」ということで、21を20とみれば、
87の中に、20は4つあるな、というのがだいたい予想がつくということで、予想した上で、実際に筆算の仕方が解説されています。わり算の筆算では、小学校3年生編でご紹介した「たてる」「かける」「ひく」という表現が注意したいところです。

★ わる数×商+あまり=わられる数
という表現も同じページ内にあらわれますが、これは、けん算の仕方ですね。
「87÷21=4あまり3」でのけん算の方法は、「21×4+3=87」で、「わる数×商+あまり=わられる数」と説明が続きます。言葉で説明するしかないですけれども、数字を言葉に置き換えてみると、むしろわかりにくいですね。教科書では数字に対応する言葉を1つひとつ色分けしてあるので、わかりやすいのですが、「わる数×商+あまり=わられる数」だけを読んだとしたら、小学生たちはぱっと理解できるのでしょうか。

算数にみる日本語(小学4年生編)Part IV

091014支援室だより

今日は、久しぶりの「算数にみる日本語」です。前回9月24日(木)に「小学校4年生(上)」の内容までご紹介していましたので、今日からは、(下)の中にみる日本語表現に触れていきます。
ちょっと日が空きましたので、前回のときに、冒頭で述べた4年生の重要単元についてのくだりを改めて確認したいと思います。

***ここから***
今日から「算数にみる日本語」は、4年生に入ります。2年生の最大の目標が、「かけ算の九九」、3年生の目標が、「わり算の導入」。では、4年生ではなにかといいますと、現行の指導要領では、「小数と分数」です。これまでは整数のみの計算でしたが、整数での四則演算(加減乗除)の基礎がしっかりできていないと、小数・分数の計算で躓く可能性が実に高くなります。大学で教鞭をとる知人の経済学准教授が、「分数を計算できない大学生」を嘆いていました。この導入の時期にしっかりと基本をマスターしなければ、将来にも影響を及ぼしかねません。下巻のところで改めて触れていきたいと思います。***ここまで***
ということで、4年生の算数における最重要単元である「小数・分数」は、この下巻でともに学習することになります。「東京書籍」の教科書を単元順にご紹介しますと、

6)小数 ※はしたの大きさの表し方を考えよう
7)わり算の筆算(2) ※わり算の筆算を考えよう
8)がい数の表し方 ※およその数で表そう
9)面積のはかり方と表し方 ※広さを調べよう
10)分数 ※分けた大きさの表し方を考えよう
注) 1)~5)までは、上巻の内容です。9/16付の支援室だよりをご覧ください。
注) ※は、単元の見出し表現です。

4年生の前期(上巻)は、3年生の復習的学習が中心でしたが、後期(下巻)では、「小数・分数」のほかに、「がい数」や「面積」など新たな単元がたくさんありますね。より重要な時期を迎えます。以前、会員の方対象コンテンツ「中学入試ワンポイント」で、「9歳の壁」という言葉の意味についてご紹介したことがあります。一部引用します。

***ここから***
「9歳の壁」
9 歳という年齢は、直感的思考から論理的思考へ、具体的思考から抽象的思考への転換を迎える時期であり、これに伴って、それまでの「読み書きする学習」か ら、「学習するために読む」への移行期でもあります。言い換えれば、実体験からの理解よりも間接経験からの理解力を高め、そのために、文章(書きことば) から理解する能力を伸ばす大きな転換のときなのです。もともとは聴覚障害のある子どもたちが、この転換をうまくできないことからこれが「9歳の壁」と名づ けられたのだそうですが、現在では、聴覚障害のある子どもだけではなく、成長過程で一般的に見られる傾向であるということで、広い意味で教育用語として用 いられています。
実は、早期の英語教育を奨励するときにこの「9歳の壁」が持ち出され、概ねこの時期までに英語に身をおく環境を整備しなければ、「ネイティブ並みの英語は一生身につけられない」などと喧(けん)伝されています。
また、ある一定の時期までにしかことばを習得できないことを「ことばの臨界期(感受性期)」と言って、これも早期英語学習のかっこうの宣伝文句になっています。
ところが、もともとこの「ことばの臨界期」とは、母語の習得において提唱された仮説なのです。つまり、この時期までを日本語での読み・書き学習に費やしていない子どもは、その後の学習による日本語の習得がひじょうに困難な状態になるということなのです。
「9歳の壁」と「ことばの臨界期(感受性期)」とは、みごとに一致していると言わざるを得ません。

話 はそれますが、算数の例でいうと、整数だけの計算から「小数」「分数」の学習がはじまるのが、この時期にあたります。新指導要領では「小学4年生」に移行されましたが、従来は、「3年生」で小数や分数は学習したものですし、受験対応の学習塾では指導要領に関係なく、小3くらいから今でも当たり前のように学習がスタートします。つまりこの時期は、学習内容の転換のうえでも、ひじょうに重要な時期であるということもいえるのです。
***ここまで***

「小数・分数」以前の整数計算では、具体物での理解が容易です。しかし、小数や分数は自然界に存在するもの、そのものを数値化しているわけではありません。ですから、ただ機械的に計算ができるというだけではできたことにならず、表現された内容からその意味を理解したうえで、それを小数や分数を用いて計算する力を身につけていかれば、ほんとの理解にはつながらないのです。では、そのあたりを日本の教科書ではどのように教えようとしているのかを見ていきます。※★はすべて教科書の表現です。

6)小数 
まずは、★「はしたの大きさの表し方」

★水とうに入る水のかさを1ℓのますではかったら、1ℓとあと少しのはしたがありました。水とうに入る水のかさは、何ℓといえばよいでしょうか。

すごいです。いきなり、「はした」。「はした金」などの表現もありますが、「はした」は、漢字で「端」と書き、計算したときに、ちょうどの数からあまったり、足りなかったりする数のことをいいます。13÷5だったら、「はした」は「3」ですね。つづいて1ℓの「はした」について説明している箇所です。いよいよ「小数」の登場です。

★1ℓを10等分した1こぶんのかさを、0.1ℓと書き、「れい点一リットル」と読みます。
★1.2や0.4のような数を、小数といい、「.」を小数点といいます。0,1,2,3……のような数を、整数といいます。

このあと、★「小数のしくみ」に進みます。
ここでは、数直線を用いて、数直線上の0.1や3.5などのいろいろな小数の表し方を確かめていきます。

★小数で、小数点のすぐ右の位を小数第一位といいます。
小数第二位以下の表現は出てきません。当たり前です。今の指導要領では、小学校では小数第一位までしか学習しないのです。2011年からの新指導要領からは、小数第二位以下も復活するので、2009年現在でも、教室現場ではすでに教えているはずだとは思うのですが……。中学受験では、もちろん小数点以下第三位まで出ますし、塾でも当然やっています。

小数単元の最後は、★小数のたし算とひき算の筆算 です。

★2.5+1.9は、下のようにして筆算で計算することもできます。
1)位をそろえて書く。
2)整数のたし算と同じように計算する。
3)上の小数点にそろえて、答えの小数点をうつ。
たし算の答えを和(わ)といいます。

「和・差・積・商」の「和」がここで登場しています。ちょっと不思議な感じがします、、、。
明日に続きます。

算数にみる日本語(小学4年生編)Part III

090922支援室だより

小学校4年生編のPart IIIです。上巻の残り2つの単元「4)折れ線グラフ」「5)三角形と角」の日本語表現をご紹介いたします。※★はすべて教科書の表現です。

4)折れ線グラフ

見出しは、
★かわり方を見やすく表そう
で、日本とシドニーの「1年間の気温のかわり方」が表で紹介されています。つづいて、
★かわり方のようすがわかりやすい表し方について考えていこう。
と続いて、
★気温のように、かわっていくもののようすを表すには、折れ線グラフを使います。
という流れで導入です。
この単元での特筆すべき表現はあまり見当たらないのですが、
★横のじくは、何を表していますか。また、たてのじくは、何を表していますか。
に見られる「じく(軸)」ぐらいでしょうか。

※ 教科書の表現から話が逸れますが、中学受験カリキュラムでは、小4になると、雨温図(うおんず)が登場します。雨温図とは、主要都市の「降雨量」を「棒グラフ」で、「気温」を「折れ線グラフ」で、それぞれ月の平均をとり、1つのグラフの中で表したものです。気温の変化とその特徴を読み取るには、「折れ線グラフ」理解が必要になります。

5)三角形と角

「三角形」は三年生で既習内容ですが、ここでは、「二等辺三角形」「正三角形」「角(かく)」を学習します。

以下、教科書の説明部分です。
★2つの辺の長さが等しい三角形を、二等辺三角形(にとうへんさんかくけい)といいます。
★また、3つの辺の長さが等しい三角形を、正三角形(せいさんかくけい)といいます。
つづいて、「角(かく)」の学習です。
★1つのちょう点からでている2つの辺がつくる形を、角(かく)といいます。
文だけ読むと、わかりづらいですね~。教科書では、ちゃんと図解してあります。では、角度のほうの説明はどうでしょうか?
★角をつくっている辺の開きぐあいを、角の大きさといいます。
ここでは、「角度」という表現は出てきません!「角の大きさ」なんですね。
★角の大きさは、辺の長さにかんけいなく、辺の開きぐあいだけできまります。
なんて説明もあります。これも、図解がなければ、文だけで理解するのはちょっと難しいかも・・・・・・。

そして最後に、
★角の大きさをはかるには、分度器(ぶんどき)を使います。
から
★直角を90に等分した1つぶんを1度といい、1°と書きます。度は、角の大きさを表す単位(たんい)です。また、角の大きさのことを、角度ともいいます。
★1直角=90°

ここで、やっと「角度」の登場です。
わたしは、諸外国の算数カリキュラムについて知識がないのですが、日本以外の国がどの学年で、どんなふうに算数を学習しているのか、この記事を連載しだしてから、とても興味がわいてきました。よく算数については、中学のはじめくらいまでは、日本のカリキュラムが進んでいるという話を聞きますが、こうした図形の学習などもそうなんでしょうか。日本では、学校カリキュラムのほかに、中学受験カリキュラムという特殊な世界があるので(特に算数)、諸外国とどれくらいの相違があるのか知りたくなりました。

算数にみる日本語(小学4年生編)Part II

090922支援室だより

「算数にみる日本語」は、前回9月16日(水)に小学校4年生編のPart Iをお届けいたしました。本日はその続編です。

3)わり算の筆算(1)

わり算は、小学校3年生の最も重要な単元で、2ケタ÷1ケタのわり算について、あまりのある計算までを学習することはすでにご紹介したとおりです。4年生では、まず、「何十、何百のわり算」を学習し、続いて「ひっ算」を学びます。ひっ算の導入部分です。
★52まいの色紙を、4人で同じ数ずつ分けます。1人ぶんは何まいになりますか。
これが最初の問です。
★計算のしかたを考えよう。
となり、
★1)はじめに10のたばを分ける。
10|10|10|10|・・・のこり10と2
2)のこりの10と2の12まいを4人で分ける。
12÷4=3(3年生で学習済み)
1人分は13まい。

というふうに、計算のしかたを理解させます。つづいて、ひっ算のしかたです。ここは、教科書では、ちゃんと図解して説明してありますが、ここでは、日本語での表現を紹介していますので、図解に出てくる日本語表現を順番に書いておきます。
「十の位の計算」
1)十の位の5を4でわり、1を十の位に「たてる」
2)4と1を「かける」
3)5から4を「ひく」
4)一のくらいの2を「おろす」

「一の位の計算」
5)12を4でわり、3を一の位に「たてる」
6)4と3を「かける」
7)12から12を「ひく」

世界各国によって、わり算のひっ算の方法は異なることと思います。日本では、皆様ご存知のとおり、上記の「たてる」⇒「かける」⇒「ひく」⇒「おろす」⇒「たてる」⇒「かける」⇒「ひく」というアルゴリズムをしっかり身につけること、ここでの到達目標です。弊社の小学生部門でも、「たてかけひきお」くん登場! みたいなのりで、繰り返し演習することで、この計算手順を定着させます。教科書では、このあと、3ケタのわり算のひっ算を学習しますが、3ケタの計算では、割られる数の百の位が割る数よりも小さい場合の、説明部分の日本語をご紹介しましょう。

★256÷4のひっ算のしかた
「百の位の計算」
1)2÷4だから、百の位に答えはたたない。
「十の位の計算」
2)25÷4で、十の位に6を「たてる」。25÷4=6あまり1
「一の位の計算」
3)6をおろす。16÷4で、一の位に4を「たてる」。16÷4=4

そして、ポイントの部分です。
★わられる数のいちばん左の位の数が、わる数より小さいときは、つぎの位までとって計算をはじめます。
う~ん、文だけをとってみると、なんだかわかりづらい説明です。この場合は、「いちばん左の位」が「百の位」なので、百の位=2が、わる数=4より小さいので、「つぎの位」=「十の位」までみて、つまり、25までみて、4でわってみよう、ということの説明です。

算数にみる日本語(小学4年生編)Part I

090916支援室だより

算数にみる日本語(小学4年生編)Part I

今日から「算数にみる日本語」は、4年生に入ります。2年生の最大の目標が、「かけ算の九九」、3年生の目標が、「わり算の導入」。では、4年生ではなにかといいますと、現行の指導要領では、「小数と分数」です。これまでは整数のみの計算でしたが、整数での四則演算(加減乗除)の基礎がしっかりできていないと、小数・分数の計算で躓く可能性が実に高くなります。大学で教鞭をとる知人の経済学准教授が、「分数を計算できない大学生」を嘆いていました。この導入の時期にしっかりと基本をマスターしなければ、将来にも影響を及ぼしかねません。下巻のところで改めて触れていきたいと思います。

この「小数・分数」の計算は、下巻で登場します。まずは上巻のカリキュラムです。

1)千より大きい数(億・兆)
2)まるい形を調べよう(円・球)
3)わり算の筆算(1)
4)折れ線グラフ
5)三角形と角

後期に比べて、前期の内容のほうが、3年生からの継続学習的な単元で、復習しながら、発展的な内容に踏み込むようなカリキュラムが組まれています。
★のついた文はすべて教科書での表現です。

1)千より大きい数
3年生までは、万の位までの学習でしたが、ここで、「億」「兆」の位を学習します。
先日、3年生の学習「大きな数」で述べたとおり、英語での数の区切り方は、「0」3つですね。日本語では、位がいくつになろうが、「0」4つで区切って覚えるようにしてください。どんなに数が大きくなっても、理解しやすくなります。教科書でも、4区切りでスペースを使って、視覚的に理解しやすいようになっています。

10・・・十
100・・・百
1000・・・千
10000・・・一万
10|0000・・・十万
100|0000・・・百万
1000|0000・・・千万
1|0000|0000・・・一億
10|0000|0000・・・十億
100|0000|0000・・・百億
1000|0000|0000・・・千億
1|0000|0000|0000・・・一兆
10|0000|0000|0000・・・十兆
100|0000|0000|0000・・・百兆
1000|0000|0000|0000・・・千兆

教科書の表現です。
★千万の10倍を一億といい、100000000と書きます。また、一億の10倍を十億、十億の10倍を百億、百億の10倍を千億といいます。
★千億の10倍を一兆といい、1000000000000と書きます。
★3021300000000円は、「三兆二百十三億」円と読みます。

★大きい数は、右から4けたごとに区切ると読みやすいね。
↑最後の一文は、もっと目立つように書けばよいものを、ページの右端に小さく書かれています。

続いて
2)丸い形を調べよう
★まるい形を円(えん)といいます。

大人にしてみれば、なんでもないことですが、小学校低学年では、長方形は「ながしかく」、正方形は「ましかく」というように、「円」も、4年生ではじめて知る呼び方です。円に関する名称は、ここでは、「半径・直径・中心」を学びます。「円周」はまだ登場しません。
★円のまん中の点を、円の中心といいます。また、中心から円のまわりまでひいた直線を、半径といいます。

これが、「半径」「中心」の説明です。
★中心を通り、円のまわりからまわりまでひいた直線を、直径といいます。直径の長さは、半径の2倍になっています。

★ボールのように、どこから見ても円に見える形を、球といいます。
★球を半分に切ったときの切り口の円の中心、半径、直径を、それぞれ球の中心、半径、直径といいます。

次回につづきます。

算数にみる日本語(小学3年生編)Part IV

090914支援室だより

算数にみる日本語(小学3年生編)Part IV

本日は、小学校3年生の下巻です。単元のご紹介からです。
1)大きな数
2)かけ算のひっ算(1)※(×1ケタ)
3)箱の形(立方体・直方体)
4)重さ
5)かけ算のひっ算(2)※(×2ケタ)
6)そろばん
7)3年のまとめ

この中から1)大きな数 3)箱の形 7)3年のまとめ にみる日本語での表現をご紹介いたします。

1)大きな数
ここで学習する大きな数は、「万」の単位までです。「億」の数はまだ出てきません。ご存知のとおり、日本語での数の数え方と外国のそれとは、大きくことなります。英語の場合しかわかりませんが、英語では、「0」が3つで区切って読み方が変わりますよね。「1,000」で「thousand」、「1,000,000」で「million」、「1,000,000,000」で「billion」というふうに。しかし、日本では、「0」4つで区切っていくと理解しやすくなります。
10・・・十
100・・・百
1000・・・千
10000・・・一万
10|0000・・・十万
100|0000・・・百万
1000|0000・・・千万
1|0000|0000・・・一億

ともかく、子どもたちは、身の回りで実感のない大きな数を理解することが国内にいてもなかなかたいへんです。現地校や国際校で、英語による数の区切りに慣れているお子さまがたには、この違いをまずはうまく理解してほしいです。

では、教科書です。
【万の位】
★「10000を2つ集めた数を二万といいます。二万と四千三百十五をあわせた数を二万四千三百十五といいます。」

★24315の2は、一万の位の数字です。
つづいて、東京都の人口が登場します。⇒「12082143」
★一万の位から左へじゅんに、十万の位、百万の位、千万の位といいます。12082143は、千二百八万二千百四十三とよみます。

3)箱の形
この単元では、直方体や立方体ということばは出てきません。ひたすら、「箱の形」です。直方体・立方体は、6年での学習内容になります。ですので、ここでは、まず立体を理解することが学習の目標です。ここで登場する用語は、「面」(めん)です。箱の形では、面の数が6つということを理解します。そして、教科書での問題は、
★箱の形には、辺が□、ちょう点が□あります。
というのがありますね。最後に、「3年のまとめ」の文章題をご紹介いたします。

★450430について答えましょう。
(1)左の4は、右の4の何倍の大きさを表しているでしょうか。
(2)この数は、45万よりどれだけ大きいでしょうか。
(3)この数の10倍の数を書きましょう。
(4)この数を10でわった数を書きましょう。

★花だんをつくるのにれんがを60こ運びます。1回に8こずつ運ぶと、何回で運び終わるでしょうか。

★牛にゅうが800mlあります。1日に150mlずつ3日間飲みました。牛にゅうは、後どれだけ残っているでしょうか。

算数にみる日本語(小学3年生編)Part III

090911支援室だより

算数にみる日本語(小学3年生編)Part III

本日は、小学校3年生上巻の「わり算」以外の単元にみる日本語表現をご紹介しましょう。

4)直角と三角形・四角形

2年生の下巻で、「三角形・四角形」を学習しますが、ここでは、直角三角形・長方形・正方形の学習です。まずは、「直角」の説明から。★はすべて、教科書の問いや説明です。

★黒板のかどにぴっったりおける形を、紙を使ってつくりましょう。
↓※丸い紙を四つに折った絵を見せて
★上のようにしてできたかどの形を直角といいます。

これが、「直角」の説明です。「角度」はこれ以降に出てきますので、今の段階では、図を使って視覚的に直角を理解させることになります。
つぎに登場するのは、四角形です。

★かどがみんな直角になっている四角形を長方形といいます。
★かどがみんな直角で、辺の長さがみんな同じ四角形を正方形といいます。

そして、直角三角形の紹介です。

★直角のかどのある三角形を直角三角形といいます。

ここまでがこの単元で確認しておきたい日本語での表現でしょうか。

つづいては、「長さ」の単元です。
6)長さ
「道のりときょり」
読者のみなさんは、この違いをおわかりでしょうか。

以下教科書での説明です。
★道にそってはかった長さを道のりといいます。
★まっすぐにはかった長さをきょりといいます。
つまり、「道のり」は実際にたどり着くまでに通った道の長さであり、「きょり」は、通り道は関係なしに直線で2点を結んだときの長さということなんですね。

それはそうと、現在海外でお住まいのみなさまの、日常生活における長さの単位はなんでしょうか。
世界的に「メートル」は標準ではないのではないかとふと思ったものですから。そうすると、国内にいるわたしたちが、たとえば、「5feet6inches」などという長さが感覚的につかめないのと同様に、「メートル、センチメートル、ミリメートル」をふだんの生活の中で使っていない子どもたちにとって、その長さを感覚で理解することも難しいのではないでしょうか。ものさしや、巻尺などを使って、ふだんから「メートル」での感覚を身につけてほしいですね。

上巻の最後は「水のかさ」です。
9)水のかさ
この単元では、「リットル」「デシリットル」「ミリリットル」を学習します。「かさ」を表す単位ですね。表現の問題のほかに、「長さ」の単位同様、日常生活の中で、感覚で理解できるようにしておくことが大切です。
では、教科書での解説・設問です。

「リットルの説明」
★水などのかさをはかるには、1リットルますを使います。1リットルは1ℓと書きます。

※挿入してある図では、どうみてもビーカーなんですけど、表現では「ます」になっていますね。わたしたちの感覚では、「ます」というと四角くて、ヒノキかなんかでできたお酒を飲むものって感じですけど。

「デシリットルの説明」
★1ℓを同じかさに10に分けた1つぶんのかさを1デシリットルといい、1㎗と書きます。1ℓは10㎗です。1ℓ=10㎗

日常生活でほとんどお目にかかることのない「デシリットル」。1リットルの牛乳を10杯にわけるか、500mlの牛乳を5杯にわけて、かさを実感させるほかないですかね。日の目をみない単位ですね。でも、日本の教科書から消えることはありません。海外では使われているのでしょうか?

「ミリリットルの説明」
★かさのたんいには、ℓやdlのほかにミリリットルがあります。1ミリリットルは1mlと書きます。
1ℓ=1000ml

実にあっさりした解説ですが、実は、1ℓ=10㎗=1000mlという単位変換をしっかり理解しておくことが重要です。ことに、㎗とmlなどはややこしくなってしまうので、市販の(小学2年生か3年生用)ハイレベル問題集などを使って、単位変換の問題に取り組んでおくとよいと思います。
表現の問題とは異なりますが、つぎのような問題です。

◎次のかさを小さいほうから順に書きなさい。

1)2ℓ,25㎗,21㎗
2)40㎗,800mℓ,7ℓ8㎗,6ℓ90mℓ

算数にみる日本語(小学3年生編)Part II

090909支援室だより

算数にみる日本語(小学3年生編)Part II

小学校3年生編の2回目です。本命の「わり算」にみる日本語表現をご紹介いたします。先日お伝えしたとおり、わり算の単元は、3)8)と2回に分かれています。といっても、割り切れるか、あまりがあるかの違いですから、計算の基本に変わりはありません。しかし、「あまりのあるなし」で、躓いてしまう、あるいは、計算に時間がかかってしまう子どもが結構いますので、あなどれません。

3)割り切れる数のわり算
いきなり問題です。
「クッキーが12こあります。1ふくろに4こずつ入れると、何ふくろできるでしょうか。」つづいて、
「シールが24枚あります。1人に6枚ずつ配ると、何人に分けられるでしょうか。」
わり算の基本は、「割る」「分ける」ことですが、実際の用語では、上記のように、「~ずつ・・・する」という表現になりますね。まず言葉の問題として、「~ずつ配る」などの表現が、「分ける」ことなのだという理解からスタートしているところがポイントです。教科書ではさらに、
「クッキーが12こあります。4人に同じ数ずつ分けると、1人分は何こになるでしょうか。」という問いかけから、「同じ数ずつ分けると1人ぶんが何こになるかを考えよう」と課題に入ります。

教科書での解説にはありませんが、上記の2つの表現はわり算における2つの概念を表しているのです。
ア:包含除(ほうがんじょ)
(全体の数)÷(1あたりの数)=(いくら分)
上記の問題でいうと、
「クッキーの数」(全体の数)÷「4こずつ」(1あたりの数)=3ふくろ(いくら分)です。

イ:等分除(とうぶんじょ)
(全体の数)÷(いくら分)=(1あたりの数)
上記の問題では、
「クッキーの数」(全体の数)÷「4人ずつ」(いくら分)=3こ(1あたりの数)です。

違いがわかりづらいでしょうが、答えの単位を見てください。アの問題では、「わられる数(全体の数)」と「わる数(1あたりの数)」の単位が同じで、答え(いくら分)の単位が「わられる数(全体の数)」と異なっています。イでは逆に、「わられる数(全体の数)」と「わる数(いくら分)」の単位が異なり、「わられる数(全体の数)」と答え(1あたりの数)が同一になります。
単位をつけて厳密な式にすると、
ア:12(こ)÷4(こ)=3(ふくろ)は成立しますが、
イ:12(こ)÷4(人)=3(こ)は「わられる数」と「わる数」の単位が同じではないので、概念として成り立たないことになります。ですから「等分除」での、単位をつけた計算の場合には、12(こ)÷4=3(こ)とするのが正解です。

教科書に戻って、解説のページの表現です。
「12÷4のわり算で、12をわられる数、4をわる数といいます。」とまあ、これは「かけ算」のときと同じ用語の紹介で、このあとにも、包含除と等分除の考え方が、文章題で出てきます。
「8このクッキーを1人に2こずつ配ると、何人に分けられるでしょうか。」(包含除)
「8このクッキーを2人で同じ数ずつ分けると、1人ぶんは何こになるでしょうか。」(等分除)

※教科書では、「包含除」「等分除」という表現はいっさい出てきませんので、その点はご了解ください。

8)あまりのあるわり算
教科書での問題です。
「17このみかんを5こずつふくろに入れるとどうなるかな。」

「17このみかんを1ふくろに5こずつ入れると、□ふくろに分けられて、□このこります。
このようなときにも、わり算の式で次のように書きます。」

「17÷5=3あまり2(17わる5は3あまり2) 答え 3ふくろに分けられて、2こあまる」
ここまでが導入部分の表現です。

ほかに「あまりがある」=「わりきれない」、「あまりがない」=「わりきれる」という説明も登場します。
では文章問題を。
「貝がらが20こあります。1ふくろに6こずつ入れると、貝がらが6こ入ったふくろは何ふくろできるでしょうか。また、貝がらは何こあまるでしょうか。」
上記の問題は、単純に、計算してあまりまでもとめる問題ですが、次のページの問題では、
「みかさんたち23人は、遊園地に来ています。4人乗りのふねにみんなが乗るには、ふねは何そういるでしょうか。」というものがあります。
そうですね。あまりになった人たちが乗るふねも必要になりますので、
23÷4=5あまり3 答え 5そう・・・・・・ではありません。
5+1=6   答え 6そう としなければなりません。